言学<ことがく>式・古文の勉強法①「古文の基本の基本」

 新高校1年生のみなさん、そろそろ「古文」の勉強がはじまったころでしょうか。一番最初は、「歴史的かなづかい」からスタートしていると思いますが、「古語の特徴」から「動詞の活用」へとすすむあたりで、見落とされがちな「基本の基本」がありますから、ぜひ早めに理解するようにして下さい。

 それは、「〈終止形〉の違い」です。説明の前に、図示します。四段=五段活用および口語では五段に含まれる文語のナ変(死ぬ、往ぬ・・・後者は一応)および下一段(蹴る)については、終止形の話であり、違いがありませんから、ここでは省きます。

口語の上一段 「見る」  → 「見る」   文語の上一段
        「率いる」 →  「率ゐる」  文語の上一段 ※上一段は、終止形は同形

口語の上一段 「起きる」  → 「起く」    文語の上二段 「きる」が「く」に

口語の下一段 「懸ける」  → 「懸く」    文語の下二段 「ける」が「く」に

口語のサ変  「する」   → 「す」     文語のサ変  「する」が「す」に

口語のカ変  「来る」   → 「来(く)」  文語のカ変   「くる」が「く」に    

 ここに示した通り、終止形の母音が「I - u」→「u」、「e - u」→「u」、またサ変、カ変では「u - u」→「u」となることが、口語と文語の大きな違いなのです。

 このことは、文法書などでも、ほとんど説明されていません。なぜかと言えば、実はローマ字で変化を示した部分の矢印は、ほんとうは順序が反対で、「来(く)」が「来る」のように変化してきたのが、文語から口語への変化だからです。

 でも現代の、特にはじめて古文(文語文法)を習う高校生のみなさんは、先に示したように、「口語」から「文語」を、勉強しますね。ですから、ここで示したことがある程度理解できたら、古文の上達は、とても速いのです。

逆に、この「現代語と古語の根本的な違い」がわかっていないまま、知識ばかりを増やして行くと、助動詞も理解しにくく、2年次以降の文章理解もしづらいまま、時間だけを重ねることになっていきます。すると当然、文章がスムーズに読めない、意味もとれないということになってしまい、大学入試でも古文で苦戦、ということになってしまいます。。

 この「基本の基本」をしっかり理解して、楽しく実りある古文の勉強を、して行きましょう。動詞の終止形に限らず、文法でも読解でも、質問がある方は、どしどしお寄せ下さい。

◇内容についてより詳しく知りたい方、他作品でも、国語の勉強についてご相談のある方は、お気軽に下記(言問学舎・小田原)までご連絡下さい。

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※この記事は、2013年7月3日掲載の記事を再構成したものです。

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